介護業界の将来性

将来の人材不足が懸念される業種として運送業やIT関連などがありますが、介護業界でも人材不足は特に深刻な問題になっています。今後もこのままのペースで少子高齢化が進むと、介護する側の人口が減って介護を必要とする側の人口が増えることになるので早急な対策が必要です。しかし、このことは逆にいうと成長産業としてとらえることもできます。働く側にとって有利な売り手市場がこれからも長く続くでしょう。

介護業界の人材不足を解消する方法としては、待遇面の改善が求められてきました。これまでの介護業界では、給与を含む各種の待遇が他の業界にくらべて低く、働く側が満足できるものではなかったといえます。実際に現役介護職員の7割が給与の面で不満をもっているというデータもあります。これに関して政府は介護業界の必要性の高さを考慮し、約1000億円の公費を投じて処遇改善を進めています。他の先進諸国の介護職の賃金が上昇する中で日本だけがマイナスになっていたことからも必要な対策だったといえます。

また、近年AIの発達が進む中で、生き残る業種となくなる業種についてよくいわれていますが、介護業界は人との繋がりが重要視される仕事なので、生き残る業種といえます。ベッドや車いすなどの性能が向上し、新たなアイテムも登場することによって、力を必要とする介護職員の負担は減っていくことが予想できます。人生100年時代を見据えて、将来性があって景気に左右されることもなく、長く働き続けることのできる介護という業界に身を置くことを視野に入れるのも一つの選択肢です。